アジアの魚醤といえば「ニョクマム」「ナンプラー」、そして日本の「しょっつる」。
これらは料理好きなら一度は聞いたことがある調味料ですが、それぞれどう違うのかは意外と知られていません。
どれも魚を発酵させて作るという点では似ていますが、発祥した国や原材料、味わいや香り、料理への使い方まで大きな違いがあります。
本記事では、ニョクマム・ナンプラー・しょっつるの違いを徹底解説し、それぞれの特徴や使い方について分かりやすく紹介します。
普段の料理にどの魚醤を使うか迷ったときに、選び方の参考にしてみてください。
ニョクマム・ナンプラー・しょっつるとは？
ニョクマム、ナンプラー、しょっつるは、アジア各国で伝統的に使われている魚醤の代表格です。
ここではそれぞれの背景や基本情報を見ていきましょう。
それぞれの発祥国と歴史
ニョクマムはベトナム、ナンプラーはタイ、しょっつるは日本（秋田県）が発祥とされています。
いずれも古くからその土地の料理文化に根付き、数百年にわたって食卓に欠かせない調味料として親しまれてきました。
各国の風土や食文化とともに発展し、独自の進化を遂げています。
原材料と製法の違い
ニョクマムやナンプラーの主な原材料はカタクチイワシなどの小魚で、しょっつるは主にハタハタ（日本海の魚）を使用します。
魚と塩を層状に重ねて樽や壺に入れ、長期間発酵させる点は共通していますが、使う魚や発酵期間、塩分濃度などに違いがあります。
その結果、それぞれの風味やコクが生まれます。
発酵方法や製造過程の特徴
魚と塩を混ぜて発酵させる基本工程は同じですが、発酵期間や環境が違うため、出来上がりの味わいや香りに個性が出ます。
ニョクマムやナンプラーは暖かい気候で比較的短期間（半年～1年程度）発酵させることが多いですが、しょっつるは寒冷な日本海側で1年以上じっくり熟成させるのが特徴です。
味・香り・塩分の違いを比較
ニョクマム・ナンプラー・しょっつるは、味や香り、塩分の感じ方にもそれぞれ違いがあります。
各魚醤の個性を比較してみましょう。
風味や味の特徴の違い
ニョクマムは魚の旨みと塩気が強く、ナンプラーはクセが少なくまろやか。
しょっつるは魚の風味がしっかりありつつも上品な味わいが特徴です。
どれも塩気の強い調味料ですが、素材や発酵の違いによって味のバランスが異なります。
香りや色、見た目の違い
ニョクマムは透明感のある赤褐色で、香りも力強い印象があります。
ナンプラーは少し淡い色でクセの少ない香り。
しょっつるはやや濃いめの色をしていて、魚介特有の香りがしっかり感じられます。
見た目や香りだけでも違いを楽しめます。
塩分量や栄養成分の違い
いずれも塩分が高めですが、製品によって多少異なります。
一般的にナンプラーやニョクマムは塩分がやや高く、しょっつるは日本人の味覚に合わせてやや控えめなことが多いです。
また、タンパク質やアミノ酸も豊富に含まれており、栄養面でも注目されています。
どんな料理に合う？使い方・おすすめレシピ
ニョクマム、ナンプラー、しょっつるは、それぞれ独特のうま味や風味があるため、使う料理によって活躍の場が異なります。
ここでは各魚醤のおすすめの使い方と、代表的なレシピを紹介します。
ニョクマムを使ったおすすめ料理例
ニョクマムはベトナム料理に欠かせない調味料で、フォーや生春巻きのつけだれ、バインセオなどの定番料理によく使われます。
特に「ヌクチャム」と呼ばれる甘酸っぱいタレは、ニョクマムが主役。
サラダや揚げ物の味付けにも最適です。
炒め物や煮込み料理の隠し味としても活躍し、料理にコクと深みを与えます。
ナンプラーを使った人気レシピ
ナンプラーはタイ料理の要で、ガパオライスやパッタイ、トムヤムクンなどでその風味が活かされます。
炒め物に少量加えるだけで本格的な味になり、スープやカレーの味付けにも便利。
魚介や肉、野菜との相性も抜群です。
日本の家庭料理に少し加えても、コクやうま味がアップします。
しょっつるを使う郷土料理とアレンジ方法
しょっつるは、秋田の郷土料理「しょっつる鍋」が有名で、魚介の旨みを存分に味わえます。
鍋だけでなく、和風の煮物や炊き込みご飯の隠し味にも最適。
みそ汁やチャーハン、パスタなど、普段の料理に少量加えると一気に風味が引き立ちます。
和食好きな方には、手軽に使える万能調味料です。
ニョクマム・ナンプラー・しょっつるの代用はできる？
それぞれに個性がある魚醤ですが、手元にないときや、好みの味に合わせて代用できる場合もあります。
代用時のポイントや市販商品について紹介します。
代用できる場面と注意点
ニョクマム、ナンプラー、しょっつるは、どれも魚醤なので共通する風味がありますが、香りや塩気、うま味に違いがあるため、代用する際は加える量や味のバランスに注意が必要です。
例えば、ナンプラーの代わりにしょっつるを使う場合は少し控えめに加え、味をみながら調整しましょう。
料理によっては独特の香りが主張しすぎることもあるので、使う前に少量ずつ試すのがおすすめです。
市販で買えるおすすめ商品
魚醤はスーパーやネット通販でも手軽に購入できます。
ニョクマムは「フンタン」や「レッドボート」、ナンプラーは「ユメ」や「メガシェフ」などが人気です。
しょっつるは秋田の「諸井醸造」が有名で、通販でも取り寄せ可能。
どれも小瓶サイズがあるので、少量から気軽に試せます。
自分の好みに合う魚醤を探して、ぜひいろいろな料理に活用してみてください。
よくある質問（FAQ）
ニョクマム・ナンプラー・しょっつるを使ううえで、よく寄せられる疑問についてお答えします。
調味料選びや使い方の参考にしてみてください。
アレルギーや保存方法について
これらの魚醤は、魚介類と塩を主な原材料としています。
魚やエビ、カニなど甲殻類アレルギーがある場合は、原材料をしっかり確認しましょう。
また、開封後は冷蔵庫で保存し、風味が変化しないうちに使い切るのがおすすめです。
しっかり栓をして保存すれば、数ヶ月は美味しさを保てます。
スーパーや通販での入手方法
ナンプラーやニョクマムは、大手スーパーや輸入食品店、アジア食材専門店などで手軽に購入できます。
最近はしょっつるも一部スーパーや道の駅、またはネット通販で全国から取り寄せ可能です。
通販なら種類も豊富で、口コミを参考にしながら選べます。
料理初心者にもおすすめできる？
魚醤は扱いが難しそうなイメージがありますが、少量加えるだけで料理にコクや旨みをプラスできます。
炒め物やスープ、ドレッシングの隠し味など、使い方もシンプルです。
初心者の方でも気軽に使え、家庭料理の幅が広がります。
まずは定番レシピから試してみましょう。
まとめ
ニョクマム・ナンプラー・しょっつるの違いや特徴について解説をしてきました。
それぞれの魚醤には独自の歴史や風味、使い方があり、料理の幅をぐんと広げてくれます。
普段の食卓に取り入れれば、手軽に本格的なアジアや和の味が楽しめます。
