特急ひだに乗って高山本線を旅するなら、座席選びが旅の満足度を大きく左右します。
岐阜から富山までの車窓には、飛騨川沿いを走る渓谷美や季節ごとの自然風景が広がり、その美しさは国内有数ともいわれています。
なかでも進行方向の右側に座ることで、名所「飛水峡」をはじめとする絶景スポットをしっかり楽しむことができます。
しかし、列車の進行方向や座席の指定方法には注意点も多く、事前の知識が必要です。
本記事では、右側座席がなぜ人気なのか、座席指定時のポイント、さらには自由席を活用する裏技まで、特急ひだを最大限に楽しむためのノウハウを詳しくご紹介します。
特急ひだの右側座席が人気な理由とは？
高山本線の特急ひだでは、進行方向右側の座席に注目が集まっています。
なぜなら絶景の連続だからです。
高山本線は飛騨川沿いを走る絶景路線
高山本線は岐阜から富山までを結ぶ山岳路線で、飛騨川の流れに寄り添いながら進みます。
車窓からは清流の美しさと渓谷のダイナミックな風景が広がり、鉄道旅行ファンにとっても人気のルートです。
特に下呂温泉や飛騨高山を通過する区間では、観光列車としての魅力も高まります。
自然と鉄道の調和が感じられる貴重な路線です。
渓谷美「飛水峡」が右側から楽しめる
高山本線のハイライトともいえる飛水峡は、右側座席からしか見られない渓谷美で有名です。
国指定天然記念物でもある飛水峡は、巨大な岩盤と急流が織りなす景観が特徴で、列車に乗るだけでその迫力を体感できます。
特に美濃太田～下呂間では川の流れと並走する区間が多く、鉄道旅行の臨場感をより高めてくれます。
左側は壁が多く景色が見えにくい
左側の座席では、トンネルや擁壁が連続する箇所が多く、飛騨川の流れや渓谷の眺望が遮られがちです。
特に岐阜県南部では山肌に沿ったルートが続くため、左側では自然の景観が断続的になり、旅行の楽しみが半減することもあります。
右側座席との視界の違いは、乗ってみて初めて実感できるほど大きいです。
アナウンス案内されるスポットも右側が中心
高山本線の観光案内放送では、右側に見える景勝地が多く紹介されます。
例えば犬山城や飛水峡など、沿線の名所は右手車窓からの眺望が前提で構成されています。
案内に沿って風景を楽しむには、右側座席を確保するのがベストです。
視覚と音声ガイドが一致することで、旅の満足度も格段に高まります。
実は左側にも絶景スポットがある！
右側が注目されがちですが、実は左側からしか見えない名所もあります。
鉄道ファンは見逃せません。
鉄道写真家に人気の「下原ダム」
飛騨萩原～焼石間にある下原ダムは、左側からだけ見える隠れた絶景スポットです。
特に朝方や冬季には水面が鏡のように景色を映し出し、幻想的な写真が撮影できることで知られています。
鉄道写真家の間では撮影ポイントとして有名で、車窓からもその美しさを堪能できます。
右側の渓谷美とは対照的な静かな風景が広がります。
青春18きっぷポスターにも採用された絶景
下原ダム周辺の風景は、「青春18きっぷ」の広告ビジュアルとして過去に採用されたことがあります。
その際に使用された写真は、鉄道旅行の魅力を象徴する風景として高く評価されました。
観光客だけでなく、プロのカメラマンからも注目される理由は、車窓からの構図の美しさにあります。
左側に座ることで、偶然の絶景と出会える可能性があるのです。
高山本線の魅力は「四季折々の風景」
高山本線では四季ごとに異なる風景が楽しめ、乗るたびに新しい発見があります。
季節ごとの絶景も見逃せません。
冬：雪化粧の飛水峡が幻想的
冬の高山本線は、飛水峡に雪が積もることで全く別の表情を見せます。
白銀の渓谷と清流が織りなす光景は幻想的で、まるで絵画のような景観が車窓に広がります。
北陸特有の豪雪地帯を通るため、冬季の景色は他の路線では味わえない魅力を持っています。
寒さを忘れるような美しい瞬間を体験できます。
春～夏：新緑の飛騨川が美しい
春から夏にかけては、新緑が車窓を鮮やかに彩ります。
飛騨川の清流と緑の山々が織りなすコントラストは見事で、森林浴をしているような気分になれるのが魅力です。
特に梅雨明けの時期には空気も澄み、視界が良いため、風景をより鮮明に楽しめます。
自然美を五感で感じることができるシーズンです。
秋：紅葉シーズンは10月中旬～11月上旬が見頃
紅葉の名所としても知られる高山本線では、10月中旬から11月上旬にかけて山々が色づきます。
下呂温泉周辺から高山方面に向かうにつれ、赤や黄色に染まる車窓風景は圧巻です。
特に渓谷と紅葉の組み合わせは写真映えし、SNSでも人気の高い時期です。
このシーズンに合わせて旅行計画を立てる人も多く、座席指定は早めが推奨されます。
座席指定の際に気をつけるポイント
特急ひだの座席指定にはちょっとした注意が必要です。
進行方向の変化があるため、事前確認が重要です。
座席の向きは名古屋～岐阜で変わる
特急ひだは名古屋～岐阜間で東海道本線を走り、その後高山本線へと進みます。
この区間では進行方向が変わるため、乗車時に後ろ向きになる可能性があります。
特に券売機やネット予約ではこの座席の向きが考慮されていない場合が多く、注意が必要です。
景色を楽しみたいなら、実際の進行方向を把握したうえで予約することが大切です。
窓口で予約すべき理由とは？
指定席の予約は、できる限り窓口で行うのが理想です。
駅の窓口では進行方向や絶景ポイントを把握したうえで座席を案内してもらえるため、座席の取り違えを防ぐことができます。
券売機では自動処理されるため、右側希望でも左側になるケースが少なくありません。
快適な車窓旅を楽しむには、有人窓口の利用が確実です。
駅員には「飛水峡を見たい」と伝えるのがコツ
窓口での座席指定時には「右側」と伝えるだけでなく、「飛水峡が見たい」と具体的に伝えるのがポイントです。
これは進行方向の変化を前提にした伝え方で、駅員に明確な意図を示すことで座席の手配ミスを防ぐことができます。
観光地の名称を用いることで、相手もイメージしやすく、短時間でスムーズに対応してもらえます。
きっぷ購入時の注意点と裏技
スムーズな旅行のためには、きっぷの購入時間と手段も計画的に選ぶ必要があります。
混雑状況にも注意しましょう。
遅くても30分前に窓口へ並ぼう
旅行シーズンや週末には、指定席券売窓口が混雑することがよくあります。
そのため、最低でも発車の30分前には窓口に並ぶようにしましょう。
特に外国人観光客の増加や、団体客の対応などで、予想以上に待たされることもあります。
時間に余裕をもって行動することが、快適な旅行の第一歩です。
10分前を切ったら券売機も検討
出発時間が迫っている場合、窓口の待ち時間によっては券売機の利用を検討するのも一つの手です。
ただし、券売機では進行方向や座席の向きが反映されないため、希望通りの座席が取れないリスクがあります。
あらかじめ乗車する方向や座席番号を調べておくと、券売機でも効率的に購入できます。
最悪は入場券で乗車して車内購入も可能
もし窓口も券売機も間に合わない場合は、最悪の場合でも入場券を使ってホームに入り、車内で特急券を購入することが可能です。
車掌からの購入は割増料金が発生するケースもありますが、列車に乗れないリスクを回避するには有効な手段です。
遅延や混雑時にはこのような柔軟な対応も視野に入れましょう。
自由席という選択肢もアリ！
特急ひだには自由席も設定されており、タイミングによっては指定席よりも快適に利用できることがあります。
名古屋駅発なら自由席が狙い目
特急ひだの自由席は、名古屋駅からの始発であれば席を確保しやすい傾向にあります。
特に平日午前中やオフシーズンには、指定席よりも空席が多いこともあり、スムーズに乗車できます。
指定席のような事前準備が不要なため、突発的な旅行や急な移動にも柔軟に対応できるのが魅力です。
右側に座るにはホームでの早めの待機が重要
自由席で右側の座席を確保したい場合は、発車の15～20分前からホームで待機しておくことが推奨されます。
観光客や鉄道ファンが同じく右側を狙って並ぶため、早めの行動がカギとなります。
列車が入線する前に位置取りを済ませておくことで、スムーズに目的の座席を確保することが可能です。
まとめ
特急ひだで絶景を満喫するなら、座席の選び方が旅の満足度を大きく左右します。
進行方向や景勝地の位置、きっぷの購入タイミングなど、いくつかのポイントを押さえるだけで、車窓の魅力を最大限に引き出すことができます。
窓口での予約や早めの行動が鍵となるため、ぜひこの記事を参考に、飛騨の自然を楽しむ鉄道旅を計画してみてください。
